「人月の神話」の要点

人月の神話

「人月の神話」は、フレデリック・ブルックスの著作であり、ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの古典的名著です。こちらでは、この「人月の神話」の要点・ポイントをご紹介しています。

人月の神話 第1章:開発コストと開発の喜びと苦しみ
人月の神話 第1章の要点・ポイントをご紹介しています。第1章では、ソフトウェアの開発コストとソフトウェア開発の喜びと苦しみについて取り上げられています。
人月の神話 第2章:見積もり失敗の原因と対処法
人月の神話 第2章の要点・ポイントをご紹介しています。第2章では、ソフトウェア開発の見積もりを失敗する原因とその失敗原因への対処法が取り上げられています。またその中で、開発プロジェクトの人員を増やすことが、必ずしも開発期間を短縮させず、むしろ延長しかねない理由を説明しています。
人月の神話 第3章:職務の専門化を用いたチーム編成 ~優秀な開発者でも少数では開発できない規模の開発を行うために~
人月の神話 第3章の要点・ポイントをご紹介しています。第3章では、職務を専門化することで大人数でも効率的に開発が行えるチーム編成の仕方(ミルズの案)について取り上げられています。
人月の神話 第4章:アーキテクチャと実装の分離 ~使いやすいシステムを作るために最も考慮すべきこと~
人月の神話 第4章の要点・ポイントをご紹介しています。第4章では、実装との対比の下、アーキテクチャの重要性が主張されています。また、良いアーキテクチャの作り方について論じられています。
人月の神話 第5章:アーキテクトの暴走を防ぐ方法と2回目の設計の危険性
人月の神話 第5章の要点・ポイントをご紹介しています。第5章では、「セカンドシステム症候群」と訳されることの多い「The Second-System Effect」について論じると共に、この現象も踏まえて、適切なアーキテクチャを作り出す方法について論じられています。
人月の神話 第6章:仕様を正しく伝える方法
人月の神話 第6章の要点・ポイントをご紹介しています。第6章では、アーキテクトが決めた仕様を実装担当者にどのようにしたら正しく伝えられるかについて論じられています。その議論は書面だけに留まらず、会議や部門間連携の話題にまで及んでいます。
人月の神話 第7章:コミュニケーションと組織と文書
人月の神話 第7章の要点・ポイントをご紹介しています。第7章では、コミュニケーションを円滑にする組織と文書管理のあり方について論じられています。
人月の神話 第8章:見積もり
人月の神話 第8章の要点・ポイントをご紹介しています。第8章では、ソフトウェア作成に必要となる人員や時間の量を見積もる際のポイントについて論じられています。
人月の神話 第9章:リソース配分の決め方
人月の神話 第9章の要点・ポイントをご紹介しています。第9章では、ソフトウェア開発におけるリソース配分の決め方について論じられています。
人月の神話 第10章:マネジメントにおけるドキュメントの構成と重要性
人月の神話 第10章の要点・ポイントをご紹介しています。第10章では、マネジメントにおけるドキュメントの構成の仕方とマネジメントにおけるドキュメントの重要性について論じられています。
人月の神話 第11章:ソフトウェアの一生 ~初期の失敗、メンテナンス、そして終焉~
人月の神話 第11章の要点・ポイントをご紹介しています。第11章では、ソフトウェア開発にまつわる変化とその変化への対応について論じられています。
人月の神話 第12章:機材やツール、ソース管理など開発の道具立てについて
人月の神話 第12章の要点・ポイントをご紹介しています。第12章では、ソフトウェア開発に用いる機材やツール、ソース管理など、開発の道具立てについて論じられています。
人月の神話 第13章:設計とテストとデバッグの戦略
人月の神話 第13章の要点やポイントをご紹介しています。第13章では、ソフトウェア開発における設計やテスト、デバッグの戦略について論じられています。
人月の神話 第14章:スケジュールが破綻する原因とその対策
人月の神話 第14章の要点やポイントをご紹介しています。第14章では、ソフトウェア開発においてスケジュールが破綻する原因とその対策について論じられています。具体的には、マイルストーンに関するノウハウなどが述べられています。
人月の神話 第15章:人間がプログラムを理解できるようにドキュメントを書く
人月の神話 第15章の要点やポイントをご紹介しています。第15章では、今で言うところのソースコード・ドキュメンテーションについて論じられています。後からプログラムを理解したり使用したりするために必要となる記載内容などが述べられています。また、フローチャートはほとんど必要ないという言及があります。
人月の神話 第16、17章:本質的な難しさのため、生産性・信頼性・単純さ(simplicity)のどれにおいても劇的な改善をもたらす特効薬は存在しない
人月の神話 第16、17章の要点やポイントをご紹介しています。第16、17章では、ソフトウェアの本質的な難しさとその難しさへの対策について論じられています。特に対策については、特効薬はないが複数の革新を地道に積み上げていくことで大幅な改善を達成できるはずであるという主張がなされています。

(18章は、1~15章における著者の主張を抜き出し箇条書きでまとめた章であるため省略)

人月の神話 第19章:人月の神話を発表した後の20年を振り返って
人月の神話 第19章の要点やポイントをご紹介しています。第19章では、1~15章を書いてから20年を経て著者が思っていることがトピックごとに述べられています。

注意点など

日本語版も参考にはしていますが、基本的には英語の原著をベースにまとめています。また、出てくるページ番号は日本語版ではなく原著のページ番号です。
原著に書かれていないことは、極力書かないようにしましたが、日本語に訳す関係や内容をまとめる関係で、意訳のようになっているところもあります。

この本の1~15章は1975年、16章は1986年、17~19章は1995年に書かれています。著者は、後に書いた章で以前に書いた章の内容について追補したり撤回したりしています。このまとめではそれらのフィードバックをあらかじめ反映し、内容の足し引きを行った後の状態を提示しようと試みています。ただ、この試みは完璧ではありません。特にウォーターフォールモデルに関しては、第19章で著者は、ウォーターフォールモデルは誤っている、だが、1~15章の文章はウォーターフォールモデルを暗黙の内に想定してしまっておりその影響が全般に及んでいると述べています。したがって、ウォーターフォールモデル以外の開発モデルを念頭に置いて1~15章の個々の内容を吟味するような作業は、最終的には読者1人1人が注意深く元の本を読んで行うしかないと思われます。

なお、この本を読む場合には、まず18章に目を通すことをおすすめします。18章は、1~15章における著者の主張を抜き出し箇条書きでまとめたのものです。
また、18章の内容がこのようなものであるため、この文章では18章を飛ばしています。

参照した原著と日本語版

  • Brooks, Fred P. (1995). “The Mythical Man-Month: Essays on Software Engineering” (Anniversary Edition). Addison-Wesley. ISBN 0-201-83595-9.
  • フレデリック・P・ブルックス Jr. 著 滝沢 徹・牧野 祐子・富澤 昇 訳. (2014). “人月の神話” (新装版). 丸善出版. ISBN 978-4-621-06608-9.
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