人月の神話 第8章:見積もり

プログラムサイズとプログラミング労力の関係のグラフ ソフトウェア開発
  • いくつかの研究によって、ソフトウェアの作成にかかる労力はその規模に対して指数関数的に増大することが示されている。これは開発人員の増加によるコミュニケーションの増加が無かったとしてもである。よって、同一人数で規模が2倍だから作業時間は2倍のような見積もりをしてはならない。
  • 業務時間の全てがプログラミングやデバッグに使えるわけではないことをきちんと考慮に入れて見積もること。機器トラブル、割り込み業務(当該プロジェクトには無関係だが優先度が高くすぐに終わる業務)、会議、事務的作業、社内業務、病欠、私用などで失われる時間も考慮すること。
  • プログラマ間やシステム部分間の相互作用が多いほど、時間あたりに進められる設計とプログラミングの量が減る、つまり、生産性が下がることが研究によって示されている。
  • 開発内容(OSなのかコンパイラなのかなど)によっても、生産性は大きく異なる可能性がある。開発人数や開発期間にも違いはあるものの、デバック済みプログラムの命令数を人時間で割った値で生産性を比較すると開発内容によって何倍も違いがあることが過去の研究では報告されている。
  • 1人が時間あたりに生産できる要素数(語数や行数)は、プログラミング言語によってあまり変わらないようだ。したがって、開発内容に適したプログラミング言語を用いることで記述量を減らせるならば、人時間も減らせる可能性がある。

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「人月の神話」の要点
人月の神話の要点・ポイントをまとめています。原著に基づき、人月の神話の要点・ポイントを主に箇条書き形式でご紹介しています。
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